2004/9/10
ハイビジョンでやってほしかったな。
今見てもまったく違和感のない特撮は見事。作品の説明は必要ないですね。難解な作品です。お話の意味を理解したい方は、小説も読んでみることをお薦めします。
お話の中で、人類は2度の飛躍的な進化を遂げます。一度目は類人猿が骨を取り上げて、初めて道具として使い始めます。そして、骨と宇宙船は道具という意味でまったく同じものであるということがこの作品の「肝」だと思ってます。類人猿が放り投げた骨、次の瞬間それが宇宙船に移り変わります。人類の進化のストーリにおいて、骨から宇宙船に移り変わる間の歴史はまったく意味のないものであるということです。この表現は映画の方が直接的です。
お話は第二の進化の直後で終わります。小説では、"He was master of the world, he was not quite sure what to do next. But he would think of something."、という記述が最後の記述となります。そして、この記述は類人猿が第一の進化を遂げ、次のシーン(木星探検開始)に移る直前に書かれた記述と全く同じものなのです。和訳されたものは2つの記述が異なっているので気づかないかもしれません。このリフレインはお話の全体をとらえる上でキーとなるものですが、映像では表現されていません。
映画のラストが訳解らない?当たり前です。僕らは第二の進化を迎えていない、骨を振りかざしたばかりの類人猿と同じステージにいるのですから。しかも、第二の進化を遂げた本人ですら「何をしていいのか(何が出来るのか)解らない」と言っているのですから。
ハヤカワ書房の2001年宇宙の旅サイト
(IMDB)